大会長挨拶
本学会の学術大会も第4回を迎えました。今大会のテーマは、「産業保健の格差と法」です。
私達が日々携わる産業保健の現場には、企業規模による格差、都市と地方の格差、業種による格差等、様々な格差が存在します。本来、全ての働く人々が、その安全と健康を確保するために受けるべき産業保健サービスを享受できていません。産業医、産業保健スタッフのいない小規模事業場は、その典型です。その現状をどう改善していくか考えます。
また、働き方改革関連法が公布されて、6年が経過しました。長時間過重労働の撲滅、正規労働者と非正規労働者の格差改善等とともに、産業医・産業保健機能の強化が、働き方改革の重要な柱でしたが、それは実現できているでしょうか。本大会では、働き方改革の現状と到達点を産業保健法の視点から検証し、今後の課題と解決の方向性を考えます。
本大会を、医療職、法律職の最新の知見と現場の取り組みを学び、よりよい産業保健を実現する研鑽の場としたいと思います。
日本産業保健法学会第4回学術大会大会長
吉田 肇
(元京都大学法科大学院客員教授、
弁護士法人天満法律事務所所長)